卵子は老いる

卵子は老いる

女性の妊娠力は一般的に30歳頃より徐々に低下していくこと事実は皆さんご存知でしょうか?
特に35歳前後から流産率が上昇し、日本産婦人科学会から出している2010年のデータでは、不妊治療における流産率は40歳では30〜40%、45歳だと60%を超えております。
さらには年齢を重ねるごとに、妊娠高血圧症候群、前置胎盤の母体及びその胎児に与えるリスクも上昇していきます。これらは医学的にも明らかになりつつありますので看過することはできません。
見た目は若々しい女性であっても、実際の身体の機能は着実に衰えを見せていきます。

では、卵子の老化というものは、そもそもどういうことなのでしょうか。残念ながら、現在において卵子老化のメカニズムがはっきりしている形ではありません。 卵子老化は、様々な卵子機能低下の総称であるとされております。

そのような卵子老化の症状や現状、検査方法、対策について簡単に説明しましょう。

(参照記事)https://f-vision.info/

卵子老化の現状とその原因及び対策

卵子老化の原因については、様々なものが言われておりますが、現状としましては下記の理由が一般的に挙げられております。

1.加齢からくる卵子減少

胎生4週くらいの卵子については、医学用語では原始生殖細胞と呼ばれております。その後、卵祖細胞へと育っていき、卵胞に包まれ(これを原始卵胞と呼ぶ)、胎生期20週までに急激に増加します。胎生期にできた原始卵胞は卵巣で保存されることになるのです。
これは出生の頃までには200万個まで減少しまして、思春期になると卵子と卵胞が発育を再開するまでには20〜30万個位にまで減少します。以降も減り続け、閉経とされる50〜51歳を迎える頃には、その数は1,000個を下回るくらいまで減少していきます。そうなると卵巣の働きはほぼ停止し、原始卵胞は閉鎖卵胞となってしまって卵子はなくなるのです。

精子が毎日新しく作られていくのですが、卵子は分化形成され、新たに作られることはありません。卵子は胎生期20週以降減っていくことになるのです。

2.顆粒膜細胞と酸化ストレス

顆粒膜細胞とは卵子を取り巻く卵胞の構成要素を指します。卵胞発育に関与し、顆粒膜細胞が胞状卵胞へ形成されていくと女性ホルモンのエストロゲンの総量が上昇します。
顆粒膜細胞が、老化から増大した酸化ストレスを受けてしまうと、卵の質の低下を招きまして、受精障害、つまり不妊の原因となってしまう可能性が指摘されております。

酸化ストレスを抑える、つまり抗酸化作用のあるものとしてはメラトニンというホルモンが用いられることがあります。メラトニンは睡眠障害の治療に一般には利用されている脳の松果腺より分泌される天然の化合物です。メラトニンは人体に存在するものであり、規則正しい生活を送るといったことで正常な分泌が促されるものですが、この投与により、ストレスを緩和させ正常な精神状態を作り出すという意図があるようです。またメラトニンの増加は性腺刺激ホルモン抑制作用があることも分かっているため、このような抗酸化作用があるメラトニンが医師の処方の基に投与されている現状があります。

3.染色体異常とは?

卵子というものは、前にも述べたように新たに作られるわけではありません。
年齢を重ねると共に、卵子は減少していく一方なのです。
卵子が卵巣にある期間が長期間であれば、遺伝をつかさどっている染色体にもダメージが蓄積され、細胞分裂の力についても低下すると考えられております。

染色体異常が高度になってしまうと、受精しても発育せず不妊となってしまい、中等度だと発育が途中で止まって流産、軽度だと、出産までたどり着くこともあるのだが、染色体異常となりダウン症などの子どもを産む可能性があると考えられております。もちろん卵子だけではなく精子異常の原因はあり得ます。

染色体異常の発生機構には、染色体不分離や遅延受精、そして遺伝子異常等といった様々な説が唱えられております。

4.ミトコンドリア

卵子のミトコンドリアが分裂できなかったとしますと、ミトコンドリアのほか、小胞体など複数の細胞小器官が集約している凝集構造を作ることが分かりつつあります。またこの凝集構造を持っている卵子においては、タンパク質の分泌や放出力が弱まっておりまして、顆粒膜細胞を十分に活性化できなくなっている結果、卵子の成熟は停止して、不妊となってしまうという研究結果も発表されております。
ミトコンドリアが卵子老化に関与することはかつてから周知のことですが、老化したマウスの卵子及びそのミトコンドリアを観察したところ、若い卵子と比してミトコンドリア分裂が弱くなっていて、遺伝子欠損マウスと類似している凝集構造が観察されたとのことです。
この研究結果によると、卵子が正常に発育するにはミトコンドリアの適切な変形が必要であることが分かります。

現在日本において厚生労働省でも、受精メカニズムに関する研究において、ミトコンドリアに関係する研究を生殖補助医療に資す研究例として示しております。現在でも活発に研究が勧められおりますので、今後の更なる研究結果の躍進に期待しましょう。

卵巣年齢検査とは?

卵子老化不妊の原因の一つには、卵子老化もそうなのですが、卵巣年齢についても関係あるといわれております。女性の卵子は、胎児よりその数は決まっておりまして、新しく増加することはありません。年齢を重ねて排卵を繰り返し、卵巣に存在する卵子が減少していくのです。
そこで卵子が減るスピードといったものには個人差があるので、残されている卵子の数をは計測できれば、卵子の数より卵巣年齢の判別がつくということです。これを予め調べておくと、今後の不妊治療に生かすこともできるとされております。
実際の検査方法としては、発育過程にある卵胞である原始卵胞から分泌されるホルモンであるAMH(アンチミュラーホルモン)の量の検査より卵巣年齢を推測します。なぜならAMHの値と原始卵胞の数といったものが比例すると考えられているためです。検査ではこのAMHの量を調べます。この量の増減が卵子の数に値するという観点で、最終的にはどの程度の妊娠力あるかを予測するのです。

この検査ではAMHの値が高くなればなるほど卵子の数が多いとされているのですが、AMH検査で判明する卵子の数と、卵子の質には関係ありません。卵子の数が多くても、卵子の質が悪い場合には妊娠率が下がるので、卵巣年齢が若いからと一概に妊娠しやすいともいえません。逆に、卵巣年齢が高くて卵子の数が少ない状態でも質がよかったため妊娠したというような女性も多く存在します。

AMH検査の結果はあくまでも参考の一つであるという認識はもっておいた方がよいでしょう。

卵子の数は増やせない

卵子の数は生を受けた時から決まっているため、残念ながら増やすことはできません。よってAMHの数値の改善もできないということになりますが、卵子老化を防いて、卵子の質を下げないことは可能ですので、その対策により妊娠する確率を維持するといったことはできます。
そのためには、次のような生活習慣を常に心がけるようにしましょう。

1.ビタミン類を多く含む食品等抗酸化作用のある食品を積極的に摂る
2.栄養バランスのある食事を摂る
3.良質な睡眠を摂る
4.適度な運動をする
5.禁煙をする
6.身体の冷えに注意する

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